少年野球は、子どもたちにとって技術だけでなく人間関係や協調性を学ぶ大切な場ですが、その裏側で保護者の支えが欠かせません。特に「お当番」や「応援」といった役割は、子どもたちを安全に、安心して活動させるために不可欠なものです。
しかし現代の家庭環境は多様で、共働き世帯、兄弟姉妹のいる家庭、さらには介護を担っている家庭もあり、「保護者の関与」がプレッシャーになることがあります。私自身も、息子が入団した当初は「休日がすべて野球で埋まってしまうのではないか」という不安を強く感じていました。
この記事では、私自身の体験や周囲の保護者から集めた声をもとに、保護者の役割を軽減するための具体的な工夫をご紹介します。
保護者の「負担感」の正体とは?
少年野球特有の「お当番制度」とは
「お当番」とは、練習や試合の現場で保護者が交代でサポートに入る制度です。内容は水分補給の準備、けがをした子どもの応急対応、グラウンドの設営や片付け、忘れ物がないかの確認など、思っている以上に幅が広い役割です。私の息子のチームでも、1回の練習につき2名の保護者が当番として活動する仕組みでした。
初めてこの制度を経験したとき、正直「想像以上にやることが多い」と驚きました。それでも、子どもたちが楽しそうに練習している姿を間近で見られるのは、お当番ならではの特権だと感じました。
「応援」も意外と大きなプレッシャーに
「応援なら気楽にできるだろう」と思われがちですが、実際にはそれが保護者にとって精神的な負担になることも少なくありません。2日間とも試合に付き添うことになれば、家の用事も後回しになり、自分の時間をほとんど持てない週末が続くこともあります。
私自身、土曜日は試合、日曜日は練習試合という日が2週続いた時期があり、応援する気持ちはあるのに体力的にきつく「少し距離を置きたい」と思ったこともありました。
工夫次第で負担を軽減できる!現場で実践された対策
LINEグループで「業務の見える化」
私たちのチームで効果を感じた工夫のひとつが、LINEグループを使った情報共有です。以前は「今日のお当番って何をやるんだろう?」と前日から不安になることが多かったのですが、役割を「やることリスト」として可視化し、逆に「やらなくてもいいこと」を明確にしたことで、ずいぶん気持ちが楽になりました。
特に新しく入団した家庭にとって、このリストは安心できる存在で、「初めてでも何をやればいいのか分かる」と好評でした。私自身も、リストを確認してから臨むようになってからは、余計な緊張をせずに子どもたちに声掛けができるようになりました。
お当番を「ペア制」にして雑談できる空間へ
当番を一人ではなく二人一組にすることで、単なる「作業」ではなく、保護者同士が交流できる時間になります。私が経験した時、一緒になった方も同じくフルタイム勤務で、「仕事と子どもの野球との両立は大変ですね」と話したことがきっかけで親しくなりました。
それまで「当番」は義務的に感じていましたが、同じ立場の親と雑談ができることで「私だけじゃない」と気づき、心の支えに変わったのです。
「応援の形」は自由にしていい
「ずっと試合を見ていないとダメなのか?」という疑問に対し、最近では「来れる時間だけ」「SNSで結果を確認するだけでも応援になる」と考える柔軟なスタイルが広まりつつあります。私も実際に、応援の代わりに試合終了後の写真共有に回ったことがあり、その貢献に喜ばれました。
地域チームの取り組み事例
保護者アンケートで「負担感」を可視化
新潟市内のあるチームでは、毎年保護者アンケートを実施し、お当番制度の見直しや負担感の調整を行っていました。アンケートの結果、「もっと応援に来てほしい」という意見がある一方、「応援は任意にしてほしい」との声も多く、対話によってバランスが取られていました。
交代制より「希望制」の導入
固定の交代制ではなく、「〇日の当番は希望者で」とすることで、働き方や予定に合わせた柔軟な対応が可能に。特に、介護を抱えている保護者が「負担を減らせて助かる」と語っていたのが印象的でした。
保護者同士で支え合う文化の醸成
「助け合いカルチャー」の育て方
たとえば、初めてお当番に入る保護者に経験者が「付き添い」でサポートするだけでも、不安を大幅に減らせます。私がその役目を担った時、「あなたがいてくれて助かった」と言われ、思わぬ形で感謝の気持ちを受け取ったのが嬉しい思い出です。
「ありがとうの言葉」が自信につながる
活動後に「ありがとう」「助かったよ」といった言葉を交わすだけで、次へのモチベーションが生まれます。こうした小さな積み重ねが、保護者の負担を減らす以上に「関係性の構築」にもつながるのです。
まとめ:無理なく、前向きな関わりを
少年野球を続けるうえで、保護者の存在はなくてはならないものです。しかし、すべてを完璧にこなそうとする必要はありません。お当番制度も応援も、家庭の事情に合わせて「無理のない関わり方」を選んでいいのです。ちょっとした工夫や話し合いで負担は軽くなり、むしろ「子どもの成長を見守る時間」として充実感を味わえるようになります。
私自身も、工夫によって以前より前向きに関われるようになり、子どもと野球の話をする時間が増えました。大切なのは「一人で抱え込まないこと」。助け合いの文化を築くことで、大人も子どもも安心して過ごせる環境が生まれるのではないでしょうか。
コメント