子どもが野球を始めたことで、わが家の親子関係が大きく変わった——。
そんな実感を持っている親御さんは、きっと私だけではないはずです。
この記事では、わが家の野球エピソードを中心に、野球が親子の距離を縮めた実体験と、その中で感じた変化について紹介します。
「どう子どもと関わればいいのか悩んでいる」「会話が減ってしまった」という方にとって、何かヒントになれば嬉しいです。
【きっかけ】小学2年生、突然の「野球やりたい!」発言
きっかけは、息子が小学2年生の春。
仲の良い友達が入っていた地域の少年野球チームに興味を持ち、「お父さん、ぼくも野球やってみたい!」と言い出したのが始まりでした。
私は野球未経験の父親。テレビでプロ野球を観るくらいで、技術的なことは全く分かりません。
正直、不安でした。「応援はしたいけど、野球に詳しくないし手助けできるだろうか…」。
でも、この一言がわが家の“新しい親子関係”の扉を開くきっかけになったのです。
【変化①】グローブ選びから始まる“共通の話題”
最初のステップは、息子のグローブ選び。
一緒にスポーツショップを回り、「どんな色がいい?」「手に合うかな?」と一つひとつ確かめながら選んだ時間は、まさに“小さな冒険”でした。
子どもが「この赤黒のグローブ、カッコいい!」と笑顔で握っていたその瞬間、今でも忘れられません。
その日以来、我が家には“野球”という共通の会話の種が生まれました。
【変化②】キャッチボールが生んだ沈黙OKのコミュニケーション
次に訪れたのは、親子のキャッチボール習慣。
私たちは毎週末、近所の公園でキャッチボールをするようになりました。
最初はギクシャクしていたグローブの使い方も、数か月経つとお互いに慣れてきて、自然に投げ合えるようになりました。
驚いたのは、キャッチボール中に生まれる“自然な会話”。
「学校でね…」
「〇〇くんにこんなこと言われたんだ」
面と向かって話すのが苦手な息子も、ボールを交わしながらなら話せるようで、気づけば親子の距離がスッと縮まっていたのです。
【変化③】親の関わりが変わったことで、子どもの態度も変化
息子が野球の練習から帰ってきたある日、落ち込んだ様子でこう言いました。
「俺、エラーして怒られた。もっとうまくなれない気がする。」
以前の私なら、「そんなことで落ち込むな」と言っていたかもしれません。
でも今は違います。キャッチボールをしながら、私はこう言いました。
「失敗は普通。でも今日、チャレンジしたこと自体がすごいと思うよ」
その日以来、息子は「お父さんには何でも話せる」と思ってくれるようになったと感じます。
【変化④】「応援席」から感じた親の役割
週末の練習試合。スタンドに座って息子の背番号を追う私。
バッターボックスで空振りしたあと、彼は私の方をチラッと見て、軽くうなずきました。
次の打席、コンパクトに打ち返して内野安打。
試合後、「お父さん見てた?あれちょっと自信になった!」というその一言。
私の応援は、技術ではなく存在そのものが“安心材料”になっていたのだと気づいた瞬間でした。
【実感】親子関係がこう変わった!
- 会話が倍以上に増えた:野球の話題をきっかけに、学校のことや気持ちのことまで自然と話せるようになった
- “褒め方”を覚えた:できない部分を見るのではなく、チャレンジや成長に目を向けられるようになった
- 親自身も成長した:野球知識を学ぶ中で、自分自身の「聞く力」「支える力」も養われた
- 子どもが自信を持つように:「お父さんが応援してる」と思うことが、本人の安心感ややる気に繋がっている
他の家庭から聞いた「親子が変わった」エピソード
共働き夫婦の工夫
「夫婦交代で練習送迎をしていたら、夫の方がキャッチボールに夢中になって(笑)」
「最近は“親の方がハマってるよね”と子どもに言われます」
野球未経験ママの喜び
「最初はボールすら取れなかったけど、“ママがやってくれるのがうれしい”って言ってくれて泣きそうになりました」
思春期突入の中学生息子と
「無口になっていたけど、キャッチボールの時間だけは心が通ってる気がします」
まとめ:野球は親子の“心のキャッチボール”
野球そのものが好きになるかどうかは、子ども次第。
でも、その“過程”で得られるコミュニケーションの時間は、親子にとってかけがえのない財産になると私は確信しています。
親がルールや技術を完璧に知らなくても大丈夫。
ただ一緒にボールを投げて、受け取って、失敗して笑って——それで十分。
今日キャッチした1球が、明日の「ありがとう」に変わる。
野球がくれた、親子の関係の変化。
それは、スポーツを超えた深い絆の物語でした。
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