「ぼく、野球やってみたい!」ある日突然、わが家の小学2年生の息子がそう言い出しました。
親としては嬉しい一方、「え?何から準備すればいいの?」と戸惑う気持ちも正直ありました。私自身、野球経験がなかったため、最初はネット検索を繰り返してはモヤモヤし、他のママ友にもいろいろ聞いてようやく分かってきたことがたくさんあります。
この記事では、わが家の“野球デビュー準備”の体験談をベースに、同じようにこれから子どもが野球を始めるご家庭にとって役立つ「親が知っておくべき準備リスト」をまとめました。
わが家の野球デビュー:最初のきっかけ
息子が野球に興味を持ち始めたのは小学2年生の春、本当に突然のことでした。
きっかけはクラスメイトの男の子が野球クラブで楽しそうにプレーしている姿を見たことです。最初は「ちょっと気になるだけかもしれない」と軽く考えていましたが、気づけば毎晩寝る前に「明日も野球やりたい!」と言うようになりました。
そこで、家族で話し合ってすぐに地域の少年野球クラブが開催する体験練習に参加することに。その初日、コーチからいただいた言葉が今でも心に残っています。「子どもが野球をやりたいと言った時点で、親御さんのサポートはすでに始まっています。
特別な準備はまだなくても大丈夫ですよ。」この言葉に励まされ、親としても少し肩の力が抜けた気がしました。
親が用意しておくべき基本の準備リスト
グローブ(超重要)
最初に用意したのは、やはり「自分のグローブ」でした。体験会ではクラブから貸し出しの用具があったものの、息子は「自分のグローブが欲しい」と強く願い、急きょスポーツ専門店へ同行しました。店員さんは元高校球児で、親子での質問にも丁寧に対応してくれました。
アドバイスは「はじめはまず見た目が好きなものを選ぶのがモチベーション維持につながる」というもの。息子は黒地に赤のラインがアクセントのあるモデルを選びましたが、その夜から毎晩グローブを持ち歩き、寝る時も枕元に置くほどのお気に入りに。
この経験から、「子どもの興味を尊重することが大事」と実感しました。
ユニフォーム(練習用・公式用)
ユニフォームの入手方法はクラブによって違いますが、わが家の場合、公式試合用はチームから指定されたセットを購入しました。帽子やユニフォームシャツ、ズボン、ベルトまで一式揃える必要があり、予算面で少し戸惑いましたが、子どもが「かっこいい!」と嬉しそうだったのを見て安心しました。
一方、普段の練習着は自由で、白いズボンといくつかのスポーツTシャツを準備しました。しかし試合や練習で泥だらけになることが多く、洗濯がかなりの手間に。そこで試行錯誤の末、「ウタマロ石鹸」と酸素系漂白剤を組み合わせた漬け置き洗いの方法を見つけ、汚れ落ちが劇的に改善。
今では「泥汚れも成長の証」と楽しんで手洗いを続けています。
運動靴 or スパイク
低学年のうちは、クラブによっては普通の運動靴で通えることも多いです。わが家もランニングシューズを練習靴として選び、柔らかいクッション性を重視しました。スパイクは1年目を過ぎ、息子自身が「履いてみたい!」と言い出してから購入を検討。
買う際に注意したいのはサイズ選びで、硬い素材が多いため指先と足幅のフィット感を何度も確認しました。また家庭練習用に軽量のバットとゴムボールも揃えました。毎週末、息子と近所の公園で素振り100回を目標に続けるのが日課に。
近所に住む年配のお父さんからは、竹刀を逆さに持って素振りする体幹トレーニングの話も聞きました。その方曰く「体全体のバランスが良くなる」とのこと。実際にやってみたら案外楽しそうで、よく真似しています。
水筒・帽子・タオル・バッグ類
夏場の野球練習は特に熱中症のリスクが高いため、徹底した対策が必要です。わが家では大容量の水筒を複数用意しており、1リットルから2リットルサイズがメイン。息子は練習中にこまめに水分補給できるよう、自分で水筒から飲むことを習慣にしました。
帽子はチーム指定がなければ、UVカット機能付きの通気性の良いモデルを選択。汗をかきやすいので、速乾性のタオルも多めに用意し、洗濯と準備は毎週末のルーティンにしています。日差し対策や暑さ対策グッズを用意して、快適に過ごせる環境を整えてあげることが大切です。
保護者として知っておきたい現実と心構え
意外と大変だった「当番制」
所属する野球クラブによっては、保護者も練習の補助や審判の手伝い、試合の送迎など幅広い協力が求められます。私も最初は「こんなに親がかかわるなんて!」と戸惑いましたが、先輩のお母さんたちから「誰でも初めは慣れていないし、少しずつ自分のペースでやればいい」というアドバイスをもらい心が軽くなりました。
実際に経験してみると、親同士の交流も生まれ、自然と大会や練習のサポートが楽しくなってきました。無理せず、できることから参加するのが長続きの秘訣です。
グローブやスパイクの“手入れ”で育まれる習慣
わが家で特に大切にしているのは、練習や試合のあとは息子と一緒に道具の手入れをすることです。
グローブに専用のオイルを塗ったり、スパイクの泥を丁寧に落としたりすると、「プロの選手も同じことをしている」と誇らしげに話す姿が印象的でした。
こうした日々の習慣が道具への愛着を育み、何より「物を大切にする心」を自然に身につける良いきっかけになっています。親としても、手入れの時間が親子のコミュニケーションタイムとなり、思い出の一コマになっています。
本人は「プロ選手もこうしてるんだよね?」とニコニコしながら磨いていて、道具への愛着と“物を大事にする習慣”が自然に身についてきました。
チームに馴染めないときのフォロー
野球を始めたばかりの頃、息子は「ボールがとれない」「打てない」と何度か挫折感を感じていました。「つまらない」と言う日もあり、そのたびに一緒に話をして、「失敗は誰にでもあること」「できないことができるようになるのがスポーツの醍醐味だよ」と励ましました。
また、家庭での素振りやキャッチボールを丁寧に付き合い続けることで、少しずつ自信がついてきました。ある練習日にコーチから「最近は声を出してチームに貢献できていて、本当に成長したね」と褒められたことで、息子は大きなやる気を取り戻し、チームの仲間たちともどんどん馴染んでいきました。
他の家庭から聞いた役立つリアルな声
共働き家庭Aさんの工夫
地域のほかの家庭の話も参考になりました。共働きのAさんご家族は、週末の送り迎えがどうしても難しいため、祖父母の協力を得て分担体制を作っています。そのおかげで、子どもは安定して練習に通え、家族全員で野球を応援する楽しい時間を共有できているとのこと。
また、女の子が野球を始めたBさん宅では、女の子らしさを活かすためにピンクのグローブやカラフルなインナーを揃えていて、本人が自己表現を楽しみながらプレーしています。母親も「女子だからこそ、個性を大切にしながら続けてほしい」と話していました。
野球未経験のCさんご夫婦は、最初「何を揃えれば良いかわからない」と大変でしたが、先輩パパ・ママのアドバイスで必要最低限の用具から少しずつ準備。焦らずに慌てずに進めたことで、お子さんも無理なく野球を楽しめているそうです。
「焦らず、徐々に必要なものを揃えていけばOK」というその姿勢が、初心者家庭にはとても参考になりました。
まとめ:一緒に準備することが、最大のサポート
わが子が野球を始めると決めたその瞬間から、親としてできる最大の支援は「一緒に準備を進め、一緒に喜びを共有すること」だと強く感じています。初めての用具選びに戸惑い、送迎のスケジュール調整に悩みながらも、共に挑戦を積み重ねてきた日々は、かけがえのない時間となりました。
道具の手入れや家庭練習、そして練習や試合のたびに感じる成長の喜びは、野球以上に大切な親子の絆を育んでくれます。今回ご紹介した具体的な準備と私たちの体験談を活用し、どうかお子さまとともに素敵な野球の第一歩を踏み出してください。
数年後に「あの時、一緒にグローブを選んでドキドキしたね」と語り合えるような、あたたかい思い出が必ず生まれますように。あなたのサポートが、きっとお子さんの「野球人生」を素敵なものにしてくれるはずです。
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