練習に行きたがらない子どもと向き合う親の声かけ実例集

「今日は練習行きたくない……」
そんなひと言に、ドキッとした経験のある親御さんも多いのではないでしょうか。

特に、小学生〜中学生の時期は心も体も揺れ動きやすく、野球などの団体スポーツにおいても、「行きたくない」「やりたくない」と感じる瞬間があって当たり前。
親としては、「どう声をかければよいのか分からない」「無理やり行かせるべき?」と悩むところですよね。

この記事では、実際に「練習に行きたがらなかった子ども」と向き合った親御さんたちのリアルな声と、効果のあった“声かけ例”を実例としてまとめました。

なぜ子どもは練習に行きたくなくなるのか?

ケース①:疲れている・体力的にきつい

「学校で疲れた」「暑いから動きたくない」といった体力的な面から、子どもが練習を億劫に感じることはよくあります。

あるお母さんは、「息子が毎日宿題や習い事でヘトヘトだったので、『それは大変だったね。今日は5分だけでも行ってみようか?』と提案したところ、納得して出発できた」と話していました。

ケース②:人間関係や自信の問題

特定のメンバーとの関係性や、うまくプレーできないことへの劣等感が理由になる場合もあります。

我が家の息子も、「試合でミスしてからコーチに怒られて、それが怖くなってしまった」ことがありました。
そんな時は「またミスしてもお父さんは味方だよ」と伝えるだけで、安心して再び練習に行けるようになったのを覚えています。

ケース③:単に“飽き”や“気分”

特別な理由があるわけでなく、「なんとなく面倒」「ゲームしてたい」といった理由も子どもらしい反応です。

あるママ友は、「今日は行かない」とゴネた息子に対して、「OK!でも練習に行かない分、家で素振り20回しようね」と条件付きOKにしたそうです。そのうち「それなら行った方が早い」と言ってグローブを取り出したとか。

親が実践した“効果のあった声かけ実例”集

「今日は少し気分が乗らない?」と感情を肯定する

否定ではなく共感から入ることで、子どもが自分の気持ちを説明しやすくなります。
「練習サボりたい」としか言えなかった本音の裏には、実は「怒られたくない」「疲れてる」などの感情が隠れていることも。

「5分だけでもユニフォーム着てみようか」と小さな一歩を示す

目標を“行くこと”ではなく“準備すること”に設定。
「出発=強制」と思わせず、段階を踏む声かけが有効です。

「休むのも作戦だよ」と肯定的に休息を伝える

あるパパは、毎週出ていた練習を「今日は戦略的休養日にしよう」と言い換えていたそうです。
「自分の意思で選んだ」という満足感が、次回のやる気につながったとのこと。

「応援だけ行こう」「カバン持ってついていくだけでOK」作戦

「プレーを強制しない」と伝えることで、出発のハードルを下げた例です。
実際に行ってみたら気分が乗り、試合前のアップから参加したというケースも多く報告されています。

「〇〇くんも今日来るって!」とつながりを軸に

「仲のいい子に会える」「友達と遊ぶ感覚」が原動力になる子には、友人の存在をさりげなく伝えることも効果的です。

親として心得ておきたいこと

◆ 無理やり行かせるより、信頼関係の積み重ねを大切に

「とにかく行け!」と強制すると、余計に反発を招くこともあります。

我が家も「休んだら置いてかれるぞ」と言ったことで、しばらく口をきいてくれなくなった経験があります。
それ以降は「行きたくない理由があるのか」を一緒に掘り下げるようにし、共通の理解を目指すようになりました。

◆ 「親が焦らない」ことも、実は最強の声かけ

親の不安や焦りが、そのまま子どもに伝染してしまうことがあります。

「練習に行かなきゃ、試合に出られなくなるよ!」という正論よりも、
「やりたくなったら、いつでも応援するよ」という安心感のほうが、子どもにとっては長期的な力になるのだと感じます。

まとめ:声かけは“正解”ではなく“応援”の形

練習に行きたがらない子どもと向き合うのは、親にとっても試練のひとつ。
でも、それは子どもの成長や葛藤と正面から向き合える貴重なタイミングでもあります。

今回ご紹介した声かけの実例集は、あくまで一例にすぎません。

  • 子どもの感情に寄り添う「共感型」
  • 小さな目標を一緒に作る「段階型」
  • 自由と責任を持たせる「選択型」
  • “仲間”や“関係性”を軸とした「つながり型」

お子さんにとって、その日その時の気持ちに合った声かけが何より大切です。
「今日ダメでも、また明日頑張ろう」——そう思える環境づくりこそ、親だからできる最強のサポートです。

「行きたくない」は子どものSOSであり、本音のサインでもあります。
その声をキャッチできるのは、いつもそばにいる親だけです。

だからこそ、「どう声をかけたら行ってくれるか」よりも、
「この子はいま、どうして行きたくないのか」に向き合うことが、最も大切なのだと思います。

親として完璧である必要はありません。
でも、あなたの“寄り添う一言”が、子どもにとっては明日の勇気になるかもしれません。

今日の声かけが、明日の一歩に

練習に行きたがらない日があっても大丈夫。
むしろ、それを一緒に乗り越えた経験は、親子の絆をより強くしてくれます。

「また明日は、少し頑張ってみようか」
そんな声かけが、きっと子どもの背中をやさしく押してくれるはずです。

親子で一緒に考え、悩み、時に休み、また進んでいく——
それこそが、野球を通じて得られるかけがえのない経験です。

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