小学2年生の息子と一緒に始めた、わが家のリアルな野球準備体験記

「ねぇパパ、野球ってやってみたら楽しいかな?」
ある春の日、息子が放課後の会話の中でふと口にした言葉でした。野球漫画にハマってから、自分もバットを振ってみたくなったようです。小2の彼にとっては小さな興味。でもその一言をきっかけに、わが家の週末は少しずつ「野球色」に染まり始めました。
私自身は野球未経験。正直不安だらけのスタートでしたが、息子と一歩ずつ準備を重ねながら“わが家なりの野球時間”を築いていく体験が始まりました。

わが家の野球デビュー:最初のきっかけ

野球をやりたいと言い出したのは、小学2年の春。
同じクラスの友達が野球クラブに入っていたことがきっかけでした。

最初は「明日になったら熱が冷めてるかも」と様子を見ていましたが、1週間経っても毎日のように「やりたい!」と言ってくるので、近所の少年野球クラブの体験会に申し込みました。

その体験会でコーチに言われた一言が印象的でした。
「親御さんが“子どもに野球をやらせてみようかな”と思うだけで、もう十分なんです。」

親が用意しておくべき基本の準備リスト

 グローブ(超重要)

クラブ体験会で使ったレンタルのグローブに不満げだった息子。「やっぱり自分だけのがほしい」と言い出し、翌週末、一緒にスポーツショップをめぐりました。親としては「お手頃価格」で十分だと思っていたのですが、息子はまっすぐ黒と赤のグローブを見つめ、「これがいい。カッコイイから。」と即決。
少し予算オーバーでしたが、自分が選んだものなら大事に使うだろう、と購入。家に届いた夜、布団の中まで持ち込んで大切に抱えて寝ていた姿が、いまでも忘れられません。「野球がんばる!」という気持ちが、あの時のグローブに詰まっていたように思います。

 ユニフォーム(練習用・公式用)

ユニフォームはチーム指定の公式戦用セット(シャツ・帽子・ソックスなど)を購入。問題は練習用。泥汚れがとにかくすごいと聞いて白ズボンを3枚準備しましたが、実際の試合後はその想像を軽く超えてきました。
練習から帰るたびに「ママ、すっごい汚れたよ!」と誇らしげな息子。洗面台での予洗い、ウタマロ石鹸でのこすり洗い、酸素系漂白剤での漬け置きが我が家の週末ルーティンになりました。「この泥は今日のファインプレーの証」という息子のひと言に、苦労も吹き飛んだのを覚えています。

運動靴 or スパイク

最初の1年は普通の運動靴。選ぶときは「クッション性」と「通気性」を重視しました。息子は若干足幅が広く、「これは痛い」「これはキツイ」と何度も履き直し。選ぶのに計3時間かかった思い出です。
2年目には「みんなスパイク履いてる!ぼくも欲しい!」と本人の強い希望もあり、軽量タイプの子ども用スパイクを購入。初めてスパイクを履いてホームから一塁まで全力で走ったとき、「足が前より速くなった気がする!」と満面の笑み。やっぱりお気に入りのギアがあるとやる気がグンと上がるんだなと実感しました。

水筒・帽子・タオル・バッグ類

夏は「熱中症対策」が超重要。
大容量の水筒(1リットル〜2リットル)は必須です。
また、帽子はチーム指定でなければUVカットの通気性が良いものがおすすめです。

わが家では、ユニクロで速乾タイプのタオルを何枚か常備し、週末ごとに洗濯→翌週の準備をルーティンにしています。

保護者として知っておきたい現実と心構え

 意外と大変だった「当番制」

「来月10日の練習当番お願いします」
LINEでそう連絡が来たとき、思わずスマホを二度見しました。「え、当番って何をするの⁉」と焦る私に、先輩ママがすぐに丁寧に流れを教えてくれて救われました。
当日は練習の準備(ボールの配布、ネットの整備)から軽い審判補助まで。最初は緊張してガチガチでしたが、ベンチ越しに手を振る息子の顔を見て少しずつリラックス。「ママがいるとやる気出る」と後から言ってくれたのが本当に嬉しかったです。

 グローブやスパイクの“手入れ”で育まれる習慣

子どもにとって、「自分の道具」はとても大切な存在です。
わが家では、練習や試合後に一緒にグローブにオイルを塗り、スパイクを拭いて保管する時間を設けています。

本人は「プロ選手もこうしてるんだよね?」とニコニコしながら磨いていて、道具への愛着と“物を大事にする習慣”が自然に身についてきました。

 チームに馴染めないときのフォロー

入部後しばらくして、「ぼく、野球むいてないかも」と息子がポツリと漏らした夜がありました。守備でボールを落として怒られたのが、相当ショックだったようです。
その晩は玄関で15分ほど無言。夜ご飯の後、何も言わずにキャッチボールに誘ってみたら嬉しそうにグラブを持って外に出てきました。
翌週、「最近ちゃんと声出してるね!」とコーチに褒められたことをきっかけに表情が少しずつ明るくなり、気づけば仲間との会話も増えていきました。

他の家庭から聞いた役立つリアルな声

共働き家庭Aさんの工夫

週末の練習参加が難しいというAさん宅では、祖父母と連携し、送迎や見守りをお願いしているそうです。
「週に一度でもグラウンドに顔を出すだけで、子どもはすごく喜ぶよ」とアドバイスをもらいました。

女の子が野球を始めたBさん宅

女の子の野球プレイヤーがまだ少ない中、「本人のやる気が強かったので応援しようと思った」と話すBさん。

ピンクのグローブやカラフルなアンダーシャツで個性を出すことで、本人も「自分らしく野球ができる」と楽しんでいるそうです。お母さんも「女子だって全然負けてないよ!」と話してくれました。

初心者でも安心だったCさんの工夫

野球未経験のCさんご夫婦は、最初は「なにが必要なのか全く分からなかった」と言います。
そこで、先輩パパママから“これだけは買っておけリスト”をもらい、初期費用を抑えながら本当に必要なものを少しずつ揃えていったそうです。

「焦らず、徐々に必要なものを揃えていけばOK」というその姿勢が、初心者家庭にはとても参考になりました。

まとめ:一緒に準備することが、最大のサポート

最初は右も左もわからなかった野球の世界。でも、グローブを一緒に選び、泥だらけのユニフォームを洗い、当番のやり方を先輩に聞きながら覚えて…。そんな一つひとつの積み重ねが、親子の新しいコミュニケーションになりました。
「うまくできない日もあるけど、道具はいつも大事に使う」
「いいプレーはチーム全員で喜ぶ」
そんな小さな学びを重ねながら、今日も息子はグローブを抱えてグラウンドに向かいます。あなたのお子さんの「野球時間」も、きっと素敵な思い出になるはずです。

 

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