「少年野球の保護者負担を減らすヒント|お当番制度と応援スタイルの見直し方」

少年野球は、技術の習得だけでなく、コミュニケーション力や連携力まで育まれる貴重な場でもあります。その一方、練習や試合の現場を支える保護者の役割は予想以上に多岐にわたります。我が家の場合は共働きのため、野球チームへの参加が決まったときに「週末はどうなるのかな…」と家族で何度も相談しました。

実際に活動が始まると、お茶出し・応急対応・グラウンド整備など、保護者全員で分担する“裏方業務”の存在に驚いたものです。そこで今回は、自分自身の経験に加え、仲間の保護者から聞いたリアルな声・具体的な取り組み事例を交え、保護者負担を減らす工夫とヒントを整理しました。

保護者の「負担感」の正体とは?

少年野球特有の「お当番制度」とは

◆少年野球における「お当番」の実情

最初の頃、息子のチームでは“お当番”が2名体制で、保護者同士で水分の用意・応急対応・道具のチェック・設営と、まるで小さなイベント運営のようでした。初めて役割分担表を見たときは「こんなに大変なんだ…」と驚きましたが、慣れてくると子ども達が笑顔で練習に励んでいる様子を一緒に見守れるのが保護者ならではのやりがいでもあると感じるようになりました。

ただし、仕事や家庭との両立が難しい日も多かったため、「担当を無理なく回す仕組み」が本当に大切だと実感しました。

「応援」も意外と大きなプレッシャーに

◆「応援」の理想と現実

「応援は気軽」と思いがちですが、連戦続きでは土日とも朝から夕方までグラウンドにいることも…。ときには家事が後回しになり、疲労感から「少し休ませてほしい」と感じる場面もありました。

周囲の保護者とも話してみると「ときには家から声援を送るだけ」「現場に行けない日は結果報告だけ見る」など、柔軟なスタイルで関わっている事例もあり、“応援のかたち”は家庭ごとに選んでいいのだと気付きました。

私自身、土曜日は試合、日曜日は練習試合という日が2週続いた時期があり、応援する気持ちはあるのに体力的にきつく「少し距離を置きたい」と思ったこともありました。

工夫次第で負担を軽減できる!現場で実践された対策

LINEグループで「業務の見える化」

◆LINE・チャット活用で“見える化”

我が家や知人のチームではLINEグループを活用して業務内容や担当リストを共有。新規入団の家族も「何をやればいいのか事前に分かる」と安心材料に。逆に「これは必須ではない」「やれる範囲でOK」という“やらなくていいことリスト”も添えることで、気楽に参加できる雰囲気作りが進んでいます。

以前は「今日のお当番って何をやるんだろう?」と前日から不安になることが多かったのですが、役割を「やることリスト」として可視化し、逆に「やらなくてもいいこと」を明確にしたことで、ずいぶん気持ちが楽になりました。

特に新しく入団した家庭にとって、このリストは安心できる存在で、「初めてでも何をやればいいのか分かる」と好評でした。私自身も、リストを確認してから臨むようになってからは、余計な緊張をせずに子どもたちに声掛けができるようになりました。

お当番を「ペア制」にして雑談できる空間へ

◆ペア当番制で雑談&孤立防止

お当番を完全な一人制から、ペアやグループ制に。休憩時間に保護者同士が気軽に話せるようになったことで、「分からないことはその場で聞ける」「情報交換もできるから、緊張感が減る」という声が増えました。

フルタイム勤務や育児・介護をしながら参加している保護者同士の結束も強まり、「自分だけが頑張っているわけじゃない」と思えるようになりました。

「応援の形」は自由にしていい

◆応援は“自分なり”でOK

SNSで結果をチェックだけ、最後だけ試合を見に来る、写真共有の協力だけなど、各家庭の事情でできる範囲の応援も大歓迎。自分の形で関われることが一番大事です。実際に私も現場参加が難しい時は、チームの連絡網で選手の写真を共有したことで感謝された経験があります。

チームごとの工夫・アンケート事例

◆アンケート・希望制へのシフトある地域チームでは年に一度、保護者アンケートで「もっと応援に来て欲しい」「負担を軽くしてほしい」などリアルな本音を集め、その声をもとにお当番制度や応援ルールを見直すようになっていました。

さらに「交代制」ではなく「できる人が希望制で担当」という柔軟な体制に替えたことで、介護や仕事の都合がある保護者も無理なく続けられるようになったと聞いています。

助け合いカルチャーの育て方

◆助け合いが生む安心・

初めてお当番をする保護者のために、経験者が付き添う「サポーター制度」の導入。初参加でも「困ったらすぐ質問できる」環境を作っておくことで、遠慮せず協力体制が築けます。実際私が付き添いに入った際、「一人だったら不安だったけど、隣でフォローしてもらえて心強かった」と言われて、とても嬉しかった経験があります。

 

地域チームの取り組み事例

保護者アンケートで「負担感」を可視化

新潟市内のあるチームでは、毎年保護者アンケートを実施し、お当番制度の見直しや負担感の調整を行っていました。アンケートの結果、「もっと応援に来てほしい」という意見がある一方、「応援は任意にしてほしい」との声も多く、対話によってバランスが取られていました。

交代制より「希望制」の導入

固定の交代制ではなく、「〇日の当番は希望者で」とすることで、働き方や予定に合わせた柔軟な対応が可能に。特に、介護を抱えている保護者が「負担を減らせて助かる」と語っていたのが印象的でした。

保護者同士で支え合う文化の醸成

「助け合いカルチャー」の育て方

たとえば、初めてお当番に入る保護者に経験者が「付き添い」でサポートするだけでも、不安を大幅に減らせます。私がその役目を担った時、「あなたがいてくれて助かった」と言われ、思わぬ形で感謝の気持ちを受け取ったのが嬉しい思い出です。

「ありがとうの言葉」が自信につながる

活動後に「ありがとう」「助かったよ」といった言葉を交わすだけで、次へのモチベーションが生まれます。こうした小さな積み重ねが、保護者の負担を減らす以上に「関係性の構築」にもつながるのです。

まとめ:無理なく、前向きな関わりを

私◆無理なく前向きに関わるために

保護者負担をゼロにすることはできなくても、情報共有や希望制、助け合い文化で“無理なくできる関わり方”は確実に増やせます。どんな役割も一人では抱え込まないことが大切。実際、私自身も仲間と協力しあう中で「子どもを見守る時間」がより前向きになりました。

家庭事情に合わせて無理なく関われる環境づくりこそ、少年野球を長く楽しく続ける秘訣だと思います。工夫によって以前より前向きに関われるようになり、子どもと野球の話をする時間が増えました。

大切なのは「一人で抱え込まないこと」。助け合いの文化を築くことで、大人も子どもも安心して過ごせる環境が生まれるのではないでしょうか。

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