はじめに:親子でゼロから始める少年野球
「ねぇパパ、野球ってやってみたら楽しいかな?」——春の日、息子がふとした会話で口にしたその一言が、わが家の生活を大きく変えました。私は野球経験のないごく普通の父親です。それでも、「やりたい!」という息子の気持ちに応えたくて、親子二人三脚で少年野球の世界に飛び込むことを決めました。
本記事では、野球未経験の親が小学2年生の息子と一緒に過ごした、野球デビューまでの具体的な準備や心構え、役立ったグッズ、壁にぶつかった時の対応法、親子の葛藤と小さな成長の積み重ねを包み隠さずまとめています。
わが家の野球デビュー:最初のきっかけ
野球を始めるきっかけは、友達と公園でキャッチボールをしたことでした。最初は「本当に続くのかな?」と様子を見ていたものの、息子の「やりたい!」という声は日に日に強くなり、週末のスケジュールが野球体験中心へと自然にシフトし始めました。
体験会参加と親の緊張
体験会の当日は親子ともども緊張の面持ち。初めて目の前で見る先輩たちのプレイは圧倒的で、「うちの子にできるだろうか」と不安でいっぱいでした。それでもコーチが「最初はミスして当たり前」という言葉で優しく背中を押してくれて、失敗もみんなで笑い合える空気に救われました。
親が「未経験でも大丈夫」と感じられる安心感は、子供のチャレンジを応援するうえでとても大きかったです。
親が用意しておくべき基本の準備リスト
グローブ(超重要)
少年用グローブ選びのこだわり
今でも印象的なのは、スポーツショップで息子が自分で手に取った真っ赤なグローブのこと。「これがいい!」と目を輝かせる姿を見て、多少予算オーバーでも“自分で決めた物”を選ばせて良かったと感じています。
名前の記入や型付けの相談も含め、親子で一緒に選ぶ工程がかけがえのない思い出になりました。
ユニフォーム(練習用・公式用)
チーム指定のユニフォームの購入。そして白い練習パンツは3枚準備。試合や練習が終わるたびに、とんでもない泥汚れと格闘する週末が始まります。洗濯にはウタマロ石鹸、つけ置き、漂白剤での工夫が欠かせません。
泥汚れを落とす作業は親子のチームワークも養われる一幕です。「今日もがんばった証だね!」と声をかけるたび、洗濯も前向きな気持ちで取り組めるようになりました。
運動靴 or スパイク
最初は運動靴でOKですが、体験会や入部から半年ほど経つと「スパイクがほしい!」と自分から言い出すようになります。サイズ選びや靴下との相性も大切。軽さや足幅も含めてじっくり試着することをおすすめします。
新品のスパイクで初めてグラウンドを駆け抜ける息子の姿は、「本気で野球に向き合おうとする気持ち」のあらわれでした。
水筒・帽子・タオル・バッグ類
夏の練習は熱中症対策が重要。大容量の水筒や通気性抜群の帽子、速乾タオルや替えのシャツ、冷感タイプのインナーなども揃えました。細かいグッズも「親子で一緒に準備する時間」が自然な会話のきっかけにもなります。
少年野球“サポート担当”の現実と楽しみ方
意外と大変だった「当番制」
当番の申し出が初めてLINEで来た時は正直焦りました。しかし先輩保護者さんとの会話や現場体験を通じて、「一人ですべて完璧にこなす必要はない」と気づき、息子の応援という裏方作業も大切な親の役割だと学びました。
子どもたちの周りで片づけやサポートをしながら、「親も子も一緒に野球をがんばるチームメイトなんだ」と思えるようになりました。
グローブやスパイクの“手入れ”で育まれる習慣
野球の上達だけでなく、物を大事にする習慣・細かな手仕事も身につくのが少年野球の良さだと思います。練習や試合後は毎回グローブにオイルを塗ったり、スパイクの泥を落としたり。「今日はここが上手く仕上がったよ!」と得意げな息子。親子の小さな成長が見え隠れします。
つまずき・悩み・成長のドラマ
ミス続きの週は「野球やめようかな…」と落ち込む日もある。でも無理に励まさず、そっとキャッチボールだけ誘ってみる。その夜、少しずつ表情が和らぎ「また頑張ってみる」と言えた息子。親の沈黙や寄り添い方も大切なのだと実感しました。
翌週、「最近ちゃんと声出してるね!」とコーチに褒められたことをきっかけに表情が少しずつ明るくなり、気づけば仲間との会話も増えていきました。
他の家庭から聞いた役立つリアルな声
成長を感じる週末ルーティン
我が家では「野球のある週末」がひとつの家族イベントになりました。朝は早起きしてお弁当づくり・持ち物チェック。グラウンドへの送迎、現地での応援や当番、帰宅後の洗濯と手入れ。そして夕食後の振り返り。「今日はどんなことが学べた?」といった小さな会話も増えました。
日々の積み重ねが親子でもっと深い絆を作り、子ども自身も自信や継続力を得ていることを感じます。
指導者・チームメイト・他家庭の給付ヒント
指導者のコーチが「努力は必ず報われる」「失敗してもいいから挑戦しよう」と声をかけてくれるのは大きな救いです。先輩ママが教えてくれた「仕事で全部できなくてもいい」「週末だけでも出来ることをしよう」という言葉も、長く続ける秘訣だと思います。
女の子選手のご家庭や初心者家族の成功例も紹介してきましたが、「自分たちのペースで無理せず工夫する」「困ったことは小さくても相談すること」が共通するヒントだと感じます。
よくある失敗・注意点とQ&A追加
野球道具は「最初から全部揃えようとしなくて良い」。まずはグローブと運動靴、水筒から始めましょう。白い練習パンツはまとめて購入+予備ありがおすすめ。試合や遠征の日は持ち物リスト化で抜け防止。
当番や送迎も、家族みんなで分担・協力することで負担も減り、続けやすくなります。
追加Q&A
Q. 練習に参加できない日があっても大丈夫ですか?
A. もちろん大丈夫です。週1回だけ参加という家庭もありますし、親族と協力して送迎や見守りを工夫している例も増えています。
Q. 費用はどれくらいかかりますか?
A. グローブ・ユニフォーム・スパイクなど初期費用で1~2万円程度が一般的です。公式戦の参加費や遠征費が追加されることもあるので、事前にチームで確認しましょう。
親の葛藤と気づき:「負担」を「家族の時間」へ
最初は“親の負担”を強く感じていました。しかし、悩みや苦労もある一方で、その分会話や協力が生まれ、家族みんなで応援する習慣が根づきました。「大変だけど楽しい」「子どもの成長が喜び」「親も新しい友達ができた」——そうした気づきが少年野球には詰まっています。
まとめ:親子で味わう“成長”と“挑戦”が最大の宝物
少年野球のある日常は、単なるスポーツ体験以上の価値があります。親が初心者でも大丈夫。準備やトラブルも家族みんなの思い出になります。「一緒に歩む」「見守る」「失敗も含めて楽しむ」——この三つを大切に、これから少年野球の世界へ踏み出すすべてのご家庭に、エールと経験を込めてこの記事を贈ります。
「うまくできない日もあるけど、道具はいつも大事に使う」「いいプレーはチーム全員で喜ぶ」そんな小さな学びを重ねながら、今日も息子はグローブを抱えてグラウンドに向かいます。あなたのお子さんの「野球時間」も、きっと素敵な思い出になるはずです。

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